石油ファンヒーターの選び方、活用方法、燃焼方式の違い、メーカー特色、エアコンとのコスト比較、リコール情報など 石油ファンヒーターの選び方

石油ファンヒーターの修理について

石油ファンヒーターも家電製品ですので、長年利用していると、故障やトラブルの発生は免れません。

ましてや、製品内部で灯油を燃焼させて炎を作り、送風によって暖を取るという製品の性質上、一般的な家電製品に比べ、過酷な使用環境を強いられているといってもよい器具なので、経年劣化による故障はもちろん、誤った使い方でも故障に見舞われやすいのが暖房器具です。

日本の家電製品は極めて優秀なので、爆発事故や火災といった事故はリコール対象となっている製品でもない限り、なかなか起きるものではありませんが、それでも火を使う危険な器具という自覚をしっかり持って、利用したいものです。

通常時でも「何か変だな」と思うことがあったら、すぐに利用を停止し、コンセントからプラグを抜いて様子を見ましょう。

故障時の症状はいろいろとありますが、一番多いのが

・正常に着火しない
・煙が出る
・臭いがきつい
・ファンが回らない

といった症状だと思います。

ほとんどの石油ファンヒーターは、異常時にはディスプレイ上にエラーコードを表示します。

どのような問題が生じて機器に異常をきたしているのかを教えてくれる機能ですが、運転中に煙が出たり、明らかに過剰に燃焼している様子が見えた場合は、すぐに使用を停止し、背面のファンが停止してからコンセントを抜いておきましょう。

運転中にいきなりコンセントを抜いてしまうと、消臭装置がはたらかなくなったり、シャッターが閉じなかったりなど、より危険な状態を誘発してしまう可能性があるからです。

故障の原因として一番多いのが、ほこりや、経年劣化した灯油をつかったことによる不純物混入などによる不完全燃焼です。

取り外しが可能な燃料タンクや、燃料フィルタの表側にある部分のごみ、ファンの背面にあるフィルタなど、目に見える部分の簡単なメンテナンスであれば問題ありませんが、分解が必要となる箇所のメンテナンスや、異音、異臭がするなどのメンテナンスは、メーカーに修理に出すことをおすすめします。

ただ、ネット通販などが当たり前になった現在では、店頭ではなく、通販で購入するケースも多くなっています。多くのメーカーでは、直接メーカーに修理依頼を行うことで修理を受け付けてくれますが、本体に残った灯油がこぼれ出る可能性などを考えると、宅配便で発送することが難しいケースがあります。

また、家電量販店やホームセンターなどの店頭に持ち込む場合でも、購入したお店でない場合は受け付けてもらえない可能性があるため、修理に出すこと自体が難しい場合もあるでしょう。

エコではない考え方になってしまいますが、実売価格で1万円前後の石油ファンヒーターの場合は、修理に出す費用・手間・コスト・修理代金・送料などを考慮すると、むしろ新品を購入した方が安くなることが多いです。

業界で最も長期間のメーカー保証をつけているダイニチのブルーヒーターシリーズが、3年という期間を設定していることから、もし3年以上経ったファンヒーターが故障した場合は、修理に出して利用するよりも、新しい石油ファンヒーターを購入した方がよいかもしれません。

ただし、くれぐれもご自身で分解修理を行うことは控えてください。暖房製品やファンヒーターなどに知識がある場合はいいですが、燃料を利用する製品のため、エアコンなどの電化製品よりもはるかに危険な行為となります。

コロナで発売されていた石油ファンヒーターのなかには、リコール対象となる製品もありましたが、その製品も、灯油タンクのフタがしっかり閉まっていなかったためにタンクの持ちあげ時に燃料が漏れ出し、引火して火災を引き起こすなどの重大な事故につながりました。

メーカーが通常のメンテナンスとして推奨している以上のメンテナンスや分解修理を行う際は、くれぐれも注意していただきたいと思います。