石油ファンヒーターの選び方、活用方法、燃焼方式の違い、メーカー特色、エアコンとのコスト比較、リコール情報など 石油ファンヒーターの選び方

石油ファンヒーターの主要製造メーカー

主要メーカー石油ファンヒーターを製造販売しているメーカーは、コロナ、ダイニチ、トヨトミ、アラジン、パナソニック(ナショナル)、三菱、シャープなどがありましたが、いま現在は経営の統廃合が進んでおり、国内ではコロナ、ダイニチ、トヨトミの3社となっています。

成熟製品としって差し支えのないジャンルですので、メーカーの違いによって性能が劇的に変わるのかというと、基本的な性能に関してはどのメーカーも突出した差はありませんが、それでも各メーカーとも、それぞれの技術やブランドイメージを大切にした製品を製造しており、現在もし烈なシェア争いが行われています。

そこでここでは、今現在も石油ファンヒーターを製造している代表的なメーカーを、それぞれの特徴や特色とともにご紹介しましょう。

ダイニチ工業

ダイニチ FW-567Lシリーズ日本の石油ファンヒーターの3大メーカーのひとつ、ダイニチ工業です。

新潟県新潟市南区に本社を置く石油暖房機器製造会社で、現在も石油ファンヒーターの製造販売が好調なメーカーのひとつでで、国内シェアナンバー1を誇ります。

業務用の大型石油ストーブや、家庭用石油ファンヒーターのシェアは、家電メーカーなどの競合他社の撤退が幸いして首位。

創業地が同じコロナとはライバル関係でもあり、石油暖房機器分野では激しいシェア争いを続けています。

コロナ

コロナ 石油ファンヒーター ST5711BY(STシリーズ)エアコンの製造販売などでも有名なコロナです。

こちらも新潟県に本社があり、ダイニチと熾烈なシェア争いを行っていますが、一般向け商品に人気が集まっています。

現在も石油ファンヒーターやストーブなどの製造販売を続けており、先述のダイニチとはライバル関係にあります。

「よごれま栓」という、キャップを無くした構造をもつ独自の灯油タンクが特徴で、人気の高い機能のひとつとなっています。

家電量販店や大型スーパーでの店頭販売が展開されているほか、パナソニックが石油暖房機器製造から撤退したことで、パナソニックショップにもコロナ製石油暖房機器が供給されるようになったため、非常によく見かけるメーカーのひとつとなっています。

トヨトミ

トヨトミ 石油ファンヒーター LC-SL53B愛知県に本社を置く大手暖房器具・空調機器メーカーのひとつです。

その名の通り、愛知県とゆかりの深い、豊臣秀吉にちなんだ社名となっています。

セラミックファンヒーターと石油ファンヒーターを一体化させたハイブリッドモデルなど、先進的な機種や高いデザイン性も特長です。

テレビCMなどはあまり見かけず、家電量販店や大型スーパーなどでの展示台数こそ少ないものの、デザイン性や独自の付加機能などで高い評価を受けており、根強いファンが多いことでも有名です。

ただし、愛知県内でのシェアや認知度は抜群のメーカーでもあり、地元を代表するヨシヅヤなどのスーパーではおなじみのメーカーとなっています。

アラジン

AJ-F45A、AJ-F38Aシリーズ高いデザイン性と、堅牢な作りで有名な石油ストーブ「ブルーフレームシリーズ」を製造販売している、イギリスのアラジン社です。

日本の家電にはない斬新でスタイリッシュなデザインだけでなく、遠赤外線を放出するユニークな付加価値などで、根強いファンが多いメーカーのひとつです。

特に、右の写真にある「素材家電」と命名された、AJ-F45A、AJ-F38Aシリーズは、石油ファンヒーターらしからぬデザインで、対応している広さの割には割高な価格設定がされているにもかかわらず、価格コムなどのレビューサイトでも非常に高い評価を受けています。

国内家電メーカーが相次いで撤退をしているなか、現在でも石油ファンヒーターを製造販売している数少ないメーカーのひとつとして地位を確立しています。

パナソニック(旧ナショナル)

OH-J58意外に思われるかもしれませんが、ナショナル時代のパナソニックも、かつては石油ファンヒーターを製造販売していた時期があります。

ブランドネームがパナソニックと統一される以前、ナショナル時代に作られた石油ファンヒーター、OH-J58などが最後の機種となっていて、現在は生産終了。

以降、新しい製品は作られていませんが、落ち着いたデザインと、パナソニックブランドが持つ信頼性は抜群だったため、また暖房製品を製造してくれることを願うファンも多いようです。

シャープ

シャープ 石油ファンヒーター OK-S58CR-S シルバープラズマイオンで有名なシャープも、同機能を実装した石油ファンヒーターを販売していた時期があります。

特に、最後の機種となった「シャープ 石油ファンヒーター OK-S58CR-S シルバー」は、タンクをひっくり返さずに給油ができることが特徴。

他のメーカーのどの機種にもない画期的な特徴として、非常に好評だったものです。

このシャープも、惜しまれながら2007年に石油ファンヒーター業界から撤退をしており、シャープの撤退をもって、国内家電メーカーはすべて暖房製品から撤退するという状況になりました。

三菱電機

MITSUBISHI 消臭王国 石油ファンヒーター チタンゴールド KD-FX48E-N三菱電機からは、消臭王国というブランド名で、石油ファンヒーターが製造販売されていました。

酸化と戦っている目印の「サプリサイン」 など、ユニークな機能がありましたが、無骨なデザインや、特に目を見張る特徴もなかったことから、市場からの評価は芳しくなく、あまり売れ行きが良くなかったと記憶しています。

じつをいうと、現在の石油ファンヒーターのベースモデルとなる「開放型」の石油ファンヒーターを日本で初めて開発したのは、この三菱電機の群馬製作所。1978年に国産第1号機が発売されたことで有名です。

残念ながら、現在は製造販売を行っていない模様です。