マンション、アパートでの利用について
一戸建ての住宅の場合は、どのような暖房器具を用意してもあまり問題になることは少ないものです。
しかし、マンションやアパート、シェアハウスなどの共同住宅では、それぞれの物件の管理規約によって、石油ストーブや石油ファンヒーターの利用が禁止されているケースがあります。
もちろん、火災が発生したときの延焼被害を懸念してのことですが、それだけではありません。
燃料となる灯油そのものの流出や、運搬時のこぼれなども、規約で制限される理由となっているからです。
ただ、消防庁が発表している平成22年の出火原因を挙げてみると、
1.ガステーブル等 22.2%
2.放火 21.5%
3.たばこ 16.5%
4.電気ストーブ 3.9%
5.電気コンロ 2.8%
6.ろうそく 2.6%
7.石油ストーブ 2.0%
8.コンセント 1.9%
9.火遊び 1.8%
という統計にあるとおり、特別に石油ストーブや石油ファンヒーターが危険というわけでもなさそうです。
しかし、やはり燃料を保管しておかなければならない暖房器具なので、火災が起きた時の延焼リスクを軽減するために、利用が禁止されているケースがあります。
むしろ、アパートよりも都心部の新築マンションでその傾向が顕著です。
これは、石油を使った暖房器具以外にもたくさんの選択肢があるからという理由も大きいのでしょうけれども、マンモスマンション化しがちな都心部のマンション事情を反映したものでもあるかもしれません。
一方で、都市ガスが整備されておらず、エアコンや電気ストーブなどの暖房器具に頼らざるを得ない地方では、石油ファンヒーターの利用に関して寛容なマンションも多く、やはり土地柄のインフラ整備度合によるといったところでしょうか。
とはいえ、念のためにマンションやアパートの管理規約には目を通しておいた方がよいと思われます。
ちなみに、北海道のマンションの多くは、灯油の使用がOKというマンションが大半であるのは当然としても、マンションの配管から灯油が供給される仕組みを持っている建物もあります。
寒冷地の暖房事情を反映した面白い仕組みですね。