ファンヒーターのガードについて
ホームセンターや家電量販店などの暖房器具コーナーには、左の写真のようなガード(囲い)が売られていることがあります。
赤ちゃんや幼いこども、お年寄り、ペットがいる家庭では、火傷や思わぬ事故を防ぐために、こうしたガードの利用を考えることもあるかと思います。
この手のガードを大きく分けると、石油ファンヒーター全体を囲ってしまうタイプと、噴き出し口に取り付けるタイプの2種類に分かれますが、いずれもパネルの誤操作や、吹き出し口付近に近づきすぎないようにするために利用されるものです。
囲うタイプも、噴き出し口に取り付けるタイプも、実売価格としては3000円程度で売られていることが多く、特に吹き出し口ガードは、石油ファンヒーターの横幅にあわせて伸縮するタイプが多いため、手軽に安全性を確保できるものとしてよく売れているようです。
ただ、もしもお子さんやお年寄り、ペットなどの安全対策として購入されようとしているのでしたら、過信は禁物。
というのは、仮に赤ちゃんがハイハイで石油ファンヒーターの吹き出し口付近に寄りかかってしまったり、無意識に近づきすぎてしまった場合、熱かったり気分が悪くなったりで泣き叫ぶに違いありませんが、だからといって、すぐにそこから離れてくれることを期待するのは難しいからです。
これは、体が不自由なお年寄りの場合でも同じです。体が思うように動かないので、すぐにその場を離れることは難しいだろうと思います。また、ペットの場合は、びっくりして思わぬ動作をしてしまうため、転倒や衝突などの2次被害が起こりえる可能性もあります。
こうしたガード用品は、あくまでも「ここから入ってはいけません」という強い意志を表すもの程度だと考えておく方が無難ではないかと思います。
つまり、サインをサインだと認識してもらうことが難しい場合は、抑止力としての効果は薄く、かといって事故を完全に防げるほどの強度があるのかといえば、必ずしもそうとはいえないものです。
こうした状況で石油ファンヒーターなどの暖房器具を利用しなければならない場合は、エアコンやオイルヒーターやセラミック式のファンヒーターなどを利用する方が、より確実だと思います。
温かさや電気代は少々犠牲になってしまいますが、事故を起こしてしまってからでは取り返しがつきません。できる限り危険因子を排除することを優先していただければと思います。