石油ファンヒーターの選び方、活用方法、燃焼方式の違い、メーカー特色、エアコンとのコスト比較、リコール情報など 石油ファンヒーターの選び方

2016年~2017年の石油ファンヒーターのコストパフォーマンスは?

石油ファンヒーターを利用するうえで欠かせないのが、灯油の価格です。

灯油のイラスト原油高や円安(1ドル100円⇒1ドル120円になるなど、円の価値があがる場合)傾向にあるときは、それにともなって灯油の価格も上昇しがちですが、今年の冬(2017年)はどうでしょうか?

2016年の秋頃に行われたアメリカ大統領選の前後は、一時期トランプショックで市場が混乱し、乱高下を繰り返しましたが、現在は落ち着いている様子。

経済産業省 資源エネルギー庁が行っている給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)の価格調査によると、灯油18リットルの全国平均価格は1140~1200円と、まずまずの数字です。

地域差はありますし、東京や大阪などの都心部・首都圏ではでは全国平均よりもすこし高くなりますが、たとえば先日(2016年12月1日)に愛知県内のガスリンスタンドで灯油を購入したところ、18リットルで1080円でした。

石油ファンヒーターは、電気と灯油を使いますので、灯油の価格がコストパフォーマンスに大きな影響を及ぼしますが、2016年~2017年の冬は、なかなかコストパフォーマンスの良い年になりそうです。

ただ、今年は少し心配なことがあります。

それは、石油の減産の影響です。

アラブ諸国をはじめとする石油原産国が、採掘量を減らしているのです。

じっさい、その翌々週(2016年12月12日)で同じお店で灯油を購入したところ、18リットルで1260円と、180円の値上がり。つまり、1リットル当たり10円の値上げです。

じつをいうと、円高・円安はガソリンや灯油の価格にそれほど大きな影響はありません。ところが、石油の減産・増産となると、ガソリンや灯油の価格に直接的かつ大きな影響をあたえます。

そもそも、なぜ石油の減産が起こるのかご存知でしょうか?

石油は野菜や果物のように「育てて収穫するもの」ではありませんので、採掘しようと思えばいくらでも採掘できるものです。それにもかかわず減産や増産が行われる理由は、価格競争にあります。

石油v.s.シェールガスの仁義なき戦い

これまで産油国は、我が物顔で石油価格を決めてきました。
なにしろ、ほかに競争相手がいないのですから、国際社会がいくらクレームをつけようが、値段はつけ放題だったのです。

ところが、そんな石油価格事情に待ったをかけたのが、アメリカが主導して開発を進めているシェールガスの存在です。

シェールガスとは、地層の間(シェール層)にたまった天然ガスのことですが、採掘技術が飛躍的に向上したことで、安定供給のめどが立ち、石油に代わる資源として注目されるようになったのです。

そこで焦った産油国は、シェールガスに負けないために、大幅な値下げ(つまり増産)をおこなってきました。それこそ赤字覚悟・利益度外視でシェールガスを排除しようとしたのです。

シェールガスと石油の血みどろの戦いが続いていましたが、つい最近になってその争いが一段落したのです。勝負自体は石油に軍配が上がったのですが、この競争で両陣営ともに疲弊し、その結果、石油価格があまりにも安くなりすぎたのです。

そこで、これまで値下げ一辺倒だった石油の価格が上昇しているのです。

ただ、かつての石油業界事情に比べると、その影響は限定的だと言われています。

なぜなら、あまりに石油価格を値上げしてしまうと、シェールガスの値段を超えてしまうからです。

いくら石油が貴重だといっても、シェールガスの価格を超えるような値段になってしまうと、今度は価格競争に負けてしまいます。

つまり、シェールガスのおかげで、石油価格の上昇に一定の歯止めがかかるという構造になっています。

やはり、同業のライバル他社が存在するということは、わたしたちのような消費者にとっては大切なことのようです。

少しでも灯油価格を節約したい場合は?

ガソリンスタンドで給油をする際に、節約のために石油会社系のクレジットカードを使われるユーザーが増えているようそうです。

ところが、新日本石油のエネオスカードや、コスモ石油のコスモカードなどの主要な石油会社系のカードを使っても、灯油の場合は1リットル当たりせいぜい1円程度しか安くなりません。

もともとも価格が低いために、割引ポイントもおさえられている状況ですが、18リットル給油したとしても、たかだか18円。

18リットルで1200円だとすると、1182円になる計算ですが、毎回同じ場所で給油するとは限りませんし、冬場にしか活躍しない季節家電ですから、それほど利用頻度が高いとは言えません。

そこでわたしは、楽天カードかイオンカードを使って給油するようにしています。

というのは、どんな買い物をしても1%のポイントがつくというわかりやすさと、あまり多くのクレジットカードを持つのが面倒くさいというのが理由からです。

カードの種類を多くしてしまうと、知らない間に年会費がかかっていたり、紛失していても気づかなかったり、ポイントが分散したりと、管理が難しくなります。複数のカードを持つと、うまく使いこなしている気にはなるのですが、トータルで見れば、あまりお得にならないのではないか?というのが個人的な意見です。

こちらのページでも詳しく説明されていますが、ネットを中心としたカード利用は楽天カードに集約させ、それ以外の公共料金の支払いやなどはイオンカードに集約させるという使い方がおすすめです。

クレジットカードに慣れ切ってしまう怖さがあるため、現金で支払えるものはなるべく現金で支払うようにしていますが、灯油やガソリンは生活を支えるインフラの一種。公共料金や家賃と同じようものです。

石油ファンヒーターの魅力は、決してコストパフォーマンスだけでは計れませんが、どうせ生活に欠かせないもの・必要なものなら、できるかぎりお得に購入したいものです。もしまだ現金で灯油を給油されているようでしたら、クレジットカードでの支払いも検討してみてください。