石油ファンヒーターの選び方、活用方法、燃焼方式の違い、メーカー特色、エアコンとのコスト比較、リコール情報など 石油ファンヒーターの選び方

石油ファンヒーターとエアコンはどっちがお得か?

エアコンと石油ファンヒーター石油ファンヒーターを使っていると疑問に思うのが、「エアコンと比較すると、どっちがお得なのだろうか?」ということではないかと思います。

エアコンは電気代が高いというイメージを持っている方は多いと思いますが、実際にどの程度の電気代がかかっているのか、正確に把握できている方はほんの一握りかもしれません。

逆に、熱源に灯油を利用している石油ファンヒーターは、電気代が安いイメージを持たれていますが、当然のことながら灯油代という燃料を利用する暖房器具のため、そのコストも考慮に入れて比較しなければ、どちらがランニングコストが安いのかを正確に比較することはできません。

そこで今回は、三菱電機から発売されている人気のルームエアコン、ムーブアイシリーズの20畳用エアコン、「MSZ-ZW632S」と、同じくコンクリート20畳用として発売されているダイニチの石油ファンヒーター、「FW-567L」とを、カタログスペック情報から比較してみましょう。

MSZ-ZW632Sのカタログの表記を見ると、暖房時の消費電力は、1855(135~3955)Wという表記があります。これは、標準時(平均値)が1855Wで、状況に応じて135~3955Wまで可変することを表しています。

MSZ-ZW632Sのスペック

一方、ダイニチから発売されている20畳用の石油ファンヒーター、FW-567Lのカタログ表記には、点火時の消費電力は450Wですが、大火力時は190W、小火力時は90Wとあります。

FW-567Lのスペック

そこで、平均して150Wと考えて計算してみることにしましょう。

電気を使う時間帯、契約しているアンペア数によって、実際の電気代は微妙に変わりますが、最も割高な1kWh(=1000Wh)あたり20円程度として考えてみると、

20畳用のエアコンの1時間あたりの電気代:20円×1.855kw=37.1円。

20畳用の石油ファンヒーターの1時間あたりの電気代:20円×0.15kw=3円。

もちろん、石油ファンヒーターを利用するには、灯油のコストがかかりますから、単純に電力だけを比較するわけにはいきません。

ダイニチのFW-567Lのカタログスペックを見ると、1時間当たりの燃料消費量が掲載されています。

最大で0.544リットル、最小で0.120リットルとありますので、こちらも平均して0.3リットルとします。

灯油の価格を18リットルで1500円として計算してみると、以下のようになります。

1500円÷18リットル=83円。これが、灯油1リットルの価格となりますので、1時間当たりに消費するとされている0.3リットルでは、24.9円です。

これを、石油ファンヒーターの電気代に加算してみると、1時間運転したときの燃費は、電気代3円+燃料台24.9円ということで、27.9円となります。

ということで、カタログ上でのスペック比較では、1時間あたり約10円ほど石油ファンヒーターの方が安いということにはなりますが、原油価格の状況や、外気温、運転時間、部屋の保温性などによっても大幅に変化するだろうと思われます。

そのため、あくまでも参考程度にはしてもらいたいのですが、毎日6時間程度利用すると考えると、

エアコンを1か月利用した時の燃費:37.1円×6時間×30日=6678円。

石油ファンヒーターを1カ月利用した時の燃費:27.9円×6時間×30日=5022円。

1か月利用した時の燃費の差は、1000円程度の違いのようです。

部屋が暖まる速さや、温風が出てくるまでの時間など、それぞれに差があるため、単純に燃費だけで比較するわけにはいきませんが、エアコンと石油ファンヒーターの燃費の差は、かなり縮まりつつあるようです。