ワカサギ釣り船で石油ファンヒーターの使用禁止令
山梨県の山中湖といえば、ワカサギ釣りで有名な観光地のひとつですが、観光地の足として愛されている乗物に、山中湖ドーム船という乗り物があります。
写真は、山中湖の観光業務を行っていらっしゃる旭日丘観光さんのものですが、屋形船のような形で、船内から景色が見渡せるように、文字通りドーム状の船になっています。
ワカサギ釣りというくらいなので、寒い季節に行われる風物詩のひとつですが、このドーム船のなかで利用されていた石油ファンヒーターによって一酸化炭素中毒による事故があったため、以降は利用しないようにとの通達が行われたようです。
船の中で利用されている石油ファンヒーターは、家庭用のものとは違い、揺れに対しても耐震性がある業務用の石油ファンヒーターだったそうですが、いつもよりも波が高く、ヒーターの炎が何度も消えてしまったために、結果的に不完全燃焼を引き起こしてしまったのだそうです。
ドーム型の船ということで、密閉性が高かったことも災いしてしまったようですが、船内の暖房設備を刷新するといってもコストがかかることなので、観光を行っている業者さんは頭が痛い問題となっているようです。
これまでにこうした環境で一酸化炭素中毒患者が出る事故などはなかったため、今後どのような対策を行うかは模索中だとのことですが、富士五湖消防本部と連携をして、太陽光による暖房や、床暖房に切り替えるなどを検討しているとのこと。
一酸化炭素中毒の怖い点は、なかなか本人に自覚症状がないことで、いつものように呼吸をしているにもかかわらず十分な酸素が得られていないため、気がついた時には手遅れになっていることが多いところですが、わたしたちもその取扱いには十分に注意したいところですね。