サーバーPCと、パソコンPCとの違い
前述のとおり、ファイル共有やプリントサーバーなど、何らかのサービスを提供する役割を担っている機器(パソコン)をサーバーと呼んでいます。ですから、サーバー用パソコンとは、簡単に言えば「サーバーとして使用するに十分耐えうるPC」ということができます。
事実、オフィスに導入される一般的なサーバーは、見た目はパソコンと殆ど同じです。PCサーバーと呼ばれる、最近のエントリーサーバーは、「タワー型」と呼ばれる筐体が一般的で、中身もパソコンと同じパーツ構成で作られているため、一見すると単なる高性能なパソコンにしか見えません。
しかし、そのパーツのひとつひとつは、サーバーとしての運用に耐えられる製品が使用されており、単なるパソコンの流用ではサーバーを構築することはできないことを証明しています。
なぜなら、サーバーには大切なデータを格納したり、日常業務に不可欠なアプリケーションソフトを導入して稼働させたりするため、普通のパソコンとは比べ物にならないほどの信頼性が必要だからです。
ここで言う信頼性とは、「24時間、365日止まることなく稼働し続ける」ということを意味します。
サーバーに障害が生じるケースとは
パソコンでは、様々なソフトウェアを多数導入すると、いつの間にか不具合に陥ることがありますが、これはサーバーでも同様です。アプリケーション同士の相性による場合もありますが、多くはLANカードや各種増設ボードなど、周辺機器のデバイスドライバーに起因するものが多いです。しかし、こうしたソフトウェア(ドライバー)が原因の障害は、設定を変えたり、デバイスドライバーのバージョンを更新することで、比較的容易に解決できる場合が多く、サーバー運用時の決定的なダメージとはなりません。
しかし、ハードウエアの基本設計が原因の障害の場合は深刻です。
この場合、
・サーバーの障害原因の特定できない恐れがある
・サーバーのシステムが全く起動しなくなる
といったことも少なくありません。
こうしたトラブルが発生するのが、最初にその機器を交換・導入したときなら原因の特定は簡単ですが、実際には「しばらくの間、何の問題もなく正常に稼働していた」のに、突然不調に陥ることもよくあります。
こうなってしまった場合、原因の特定には大変な時間がかかります。
サーバー製品と通常のパソコン製品との違いは、ズバリ各パーツの品質
たとえばハードディスク。
私たちがパソコンを使うとき、実はハードディスクにはそれほどアクセスがありません。また、ノンリニアビデオなどの動画編集作業や、Photoshopなどの商用印刷アプリケーションによる画像編集作業時などの重たい処理は別ですが、ExcelやWordなど通常のオフィスワークで利用されるソフトウェアを使っている限り、CPUもパワーを使い切っていることは稀です。
なぜなら、電子メールやワープロ、Webブラウジングなどでは、それほどCPUパワーを必要としませんし、そもそも扱うデータが小さいため、ハードディスクへのアクセスもわずかとなるためです。
しかし、不特定多数・複数のユーザーが、共有しているファイルやアプリケーションを利用するためにひっきりなしに処理を求めてくるサーバーでは、CPUが常時フル稼働で処理を行うほか、アプリケーションソフトが保存するデータも頻繁に更新され、ハードディスクへのアクセスも頻繁になります。
これを毎日繰り返していると、ハードディスクの疲労はパソコンとは比べ物になりません。
そのため、パソコンでの使用を想定して作られたハードディスクを、「安いから」という理由だけで安易にサーバーに用いると、消耗が激しいため、一気に寿命がくることになります。
その結果、故障を引き起こし、サーバー停止に陥ってしまい、ハードディスクに記録されていたデータを消失してしまう恐れさえあります。
このような理由から、一般的にPCサーバーに搭載されているハードディスクは、通常のパソコン用途に作られたハードディスクとは耐久性能の面で品質が異なることが殆どです。
メモリも同じです。
現在では、デスクトップ用に安価なバルクメモリが販売されていますが、サーバー用途として提供されているメモリは、そのエラーチェック品質に大きな違いがあります。パソコンなら一時期のフリーズ程度で終わることもあり、被害を受けるのは自分だけで済みますが、複数のユーザーが利用しているサーバーでは、たった一回のサーバー停止が大きな支障を与えることにもなりかねないからです。
「ちょっとした節約」が、大きな損害を引き起こす原因にもなりますので、信頼できるサーバーを構築するためには、サーバー用途を想定したパーツで構築するのが、サーバーの安定性を確保する一番の近道といえます。
繰り返しますが、PCサーバーでは、確かにパソコンと同様の銘柄のパーツが用いられています。しかし、全く同じものではないということを、充分に理解しておいてください。
